基礎知識
3Dプリンターが
もたらす世界
3Dプリンターの
基本原理が確立
1980年、日本人によって
光造形法が発明される。
21世紀の産業革命
『MAKERS:21世紀の産業革命が始まる』
がベストセラーに。
個人が3Dプリンターを所有
2010年代に入り家庭用の
廉価版3Dプリンターも普及。
建築、医療、電子、バイオ
様々な分野を変革
幅広い領域への応用が広がる。
3Dプリンターが直面する課題
造形精度の粗さ
切削加工レベルの精度が出せない。
精度とサイズの両立
高精度の3D造形では
十分なサイズが実現できない。
産業用の造形速度の遅さ
大量生産や高精度な造形は低速に。
主な造形方式
熱溶解積層方式
Fused Deposition Modeling
熱溶解積層方式(FDM方式)は、溶かした樹脂素材を細いノズルの先端から絞り出して積層していく方法です。
メリット
- 高い強度と耐熱性
- カラー印刷が可能
- 本体と素材が安価
デメリット
- 微細造形には適さない
- 金属の造形は不可
- 表面に滑らかさがなく積層痕が残る
材料噴射方式
Material Jetting
材料噴射方式(インクジェット方式)は、光硬化性樹脂をノズルから吹き付け、紫外線を照射しながら積層させることで立体造形物を作る方法です。
メリット
- 比較的高い解像度
- カラー印刷が可能
- 複数の素材を混ぜた印刷が可能
デメリット
- サポート材の使用量が多い
- 太陽光による劣化が起こる
粉末焼結積層造形方式
Selective Laser Sintering
粉末焼結積層造形方式(SLS方式)は、粉末樹脂や粉末金属をレーザーや放電で溶かして焼結させることで積層していく方法です。
メリット
- 優れた耐久性
- 金属素材を使用可能
- サポート材が不要
- 求める物性の再現度が高い
デメリット
- 微細造形には適さない
- 粉末除去などの後処理に手間が掛かる
- 表面にザラザラした質感が残る
光造形方式
Stereo lithography
光造形方式(SLA方式、DLP方式など)は、3Dプリンターの造形方式の中で最も歴史が古く、世界初の3D造形技術として日本人が発明した方法に源流があります。光硬化樹脂に紫外線を照射して硬化していくことで一層ずつ積層して立体造形物を作る方法です。
メリット
- 比較的高い解像度
- 複雑な立体物の造形に適している
- 造形スピードが速い
- 表面が滑らかに仕上がる
- 大型の造形も可能
デメリット
- 洗浄やサポート除去などの後処理に手間が掛かる
- 太陽光による劣化が起こる
- 強度や耐久性には劣る
BMFが採用するPμSL
Projection Micro Stereo Lithography
3Dプリンターの造形技術は上記に挙げたもの以外にも多種多様あり、それぞれの発展を遂げ、また現在も新たな技術が生まれています。しかしながら、高解像度を謳う3Dプリンターであっても、10μm以下のマイクロナノ領域の造形は不可能でした。そして既存の技術の延長線上にはマイクロナノ領域の造形技術は生まれ得ないのです。そこで、これまでとは全く異なる造形技術が求められていました。PμSLは、マイクロナノ領域の造形を高い精度と実用的な造形サイズで正確に、かつ低コストで行うことのできる世界で初めての3D造形技術です。
メリット
- マイクロナノ領域の超高解像度
- 高い精度と正確さ
- 複雑な立体物の造形に適している
- 実用的な造形サイズ
- 造形スピードが速い
デメリット
- 樹脂以外の材料に適さない
- 既存の技術に比べて高額
導入による
5 つのメリット
開発コストを大幅に削減できる
開発初期段階の試作品作成や検証のプロセスを効率化するフロントローディングという考え方に基づいた手法で、費用的・時間的コストを大幅に削減できます。
完成形のイメージを社内や取引先と共有できる
営業 - 設計 - 生産 - 管理など、様々な部門にまたがる商品開発工程において、各部門間やお客様とのコミュニケーションは非常に重要となります。従来は設計図や3D-CADなどのイメージでは、コミュニケーションロスのリスクがあり、プロジェクトに大きな損害を与えかねません。3Dモデルは完成品に限りなく近いイメージを取引先や社内の人間と共有するのに役立つため、コミュニケーションロスを減らしプロジェクトを円滑に進めることができます。
品質を向上させつつ開発期間を短縮できる
試作品の作りやすさが品質向上に寄与し、開発期間の大幅な短縮は製造コストを削減してくれます。
機密の漏洩防止によって競争優位性を保てる
従来の開発工程では、試作品の段階から外部に製作を委託しなければならず、その際に設計内容や技術に関する機密が漏洩してしまうリスクがありました。ですが、3Dプリンターの導入で開発初期の造形モデルの製作を外部委託する必要がなく、機密が漏れるリスクが低減され他社との競争優位性を保つことができます。
技術力に依存せずに複雑な造形ができる
金型成形や切削加工では不可能な造形が可能であり、しかも操作者の技術力を必要とせずに同じ品質のものを大量に造形することができます。